那須のトラベルプロジェクトを終えて【From Manami】


一泊2日の那須トラベルが終わりました。

まずは大きな怪我なく、誰も病気にならず、無事にご家族の元へ帰せたことにほっとしています。

4〜8月(年度前期)のトラベルでは、私たちがあらかじめ用意したプランで行います。楽しい経験の中でも、外でのルールを守ることや、周りの迷惑にならないように振る舞うことなど、社会マナーを教えていきます。

そして9月のディズニートラベルでは、ディズニーという枠の中で「話し合う」練習をします。意見を言い合い、決まらない場合はどちらの意見も採用できません。

Skyクラスまで自己主張をたっぷり経験してきた子どもたちは、Rainbowになり、人の意見を聞くという経験をしていくのです。

そして季節のいい11月に一泊2日の遠出を行います。ここでも時間をかけて話し合いをし、決まったことをやり遂げるということを経験していきます。

那須では、私たちが経験させたいと思うことと、子どもたちがやりたいことが違うことがたくさんありました。しかし、大人はグッと口をつぐんで、子どもの意見を尊重します。

大人がやることは子どもができない時間配分や移動手段の確保などの実務的なところ。トラベルは子どもの意見がそのまま反映されたものになります。

(そのため場合によっては料金が高くなることも。ごめんなさい!)

今回は、Rainbow1年目の子どもが多く、話し合いにとても時間を要しました。まだ感情のコントロールができず、思い通りにならないと怒ってしまい話し合いにならないこともあったほど。

しかしその経験も含めてトラベルです。

トラベルは楽しい思い出作りのように見えますが、教育的意義をもったカリキュラムです。

おうちと同じようなわがままが言えない、不自由の経験でもあります。

Noahは自由なスクールだと思われている方も多いかもしれませんが、自由と好き勝手は違います。個性を伸ばす最大限の自由と同時に、社会経験を円滑に送れる最低限のマナーや社会性も同時に大切にしていて、それも含めての「生きる力」です。

トラベルでは

・自分の意見を聞いてもらう喜びと、自分の好きなことだけできるわけではない現実を知る

・苦手なことや怖いことにも挑戦してみる

・家庭と離れて、自立心を養う

・ルールやマナーを守ろうとする道徳観念を養う

・自分たちで決めたことが現実になっていく達成感を味わう

というようなねらいがあり、これを楽しい環境で経験できるのがトラベルプロジェクトです。

ただ、遠くに先生とお友だちと行って楽しいよね

という思い出作りではありません。このねらいのために、計画段階から終わった後のまとめまでを一貫して子どもたちと作り上げます。

そして、これらの教育がしっかりと身につくためには、ご家庭の協力も必須です。

持ち物を一緒に揃える、家庭でも期待感を膨らませる会話をする、健康状態や生活リズムを整えるなど、基本的なことに加え、何よりトラベルに対するご家庭の理解が必要です。

おうちと同じ状態をトラベル中も求めるのではなく、良いことも嫌なことも、おうちでできない経験をしておいで!と送り出していただくことが、何よりも子供を育てると思います。

まさしく、家庭とスクールが連携するからこそできる教育です。

(保護者の皆様、いつもご理解いただきありがとうございます。)


本当にこの教育は手が掛かります。計画段階から下見、当日の安全管理などやることが多すぎて、他のスクールでは絶対にできないだろうと思います。

しかし、私がこれをやり続けるのは、手をかけた分だけ子どもが育つことを知っているから。

普通の園ではこんなにこの子は伸びなかっただろうな、という子をたくさん見てきました。

その子たちの成長こそが、私の誇りであり希望です。

手をかけすぎて、どんどん自分が大変になっているのも感じていますが笑、ここで過ごした時間が子どもの人生の根っこになると思うと、手を抜けません。

私の情熱を理解し、文句も言わずついてきてくれる先生たちには本当に感謝です。

那須トラベルを終えて、Rainbowの子どもが

「Manami sensei, I know how to squeeze cow’s milk!(牛のミルクの搾り方知ってるよ!)」と言って、手で絞り方を教えてくれました。

那須から帰った翌週は、ミルクでできているものは何かと話し合い、バターを作りました。

経験したことが学びとなり、その後の生活に活きています。わくわくと一緒に学んだことは、きっと忘れないだろうと思うと同時に、そんな幼児期を過ごせる子どもたちが、ちょっと羨ましい笑!

今年度のトラベルはまだ続きます。保護者の皆様、引き続きよろしくおねがします!


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